2015年より約1年間、ライブハウスSiX-DOGさんのホームページにて連載

好評をいただきましたVETIXエンジニアKAWAMOTOによるColumnのアーカイブです。

名古屋に音楽スタジオを構えて20年。スタジオべティックスの名物社長による

もっと「楽しく」「効果的に」「為になる」スタジオ利用法講座!(全11回)

第七回「目標の旗、立ててるかな?」

みなさんこんにちは!

名古屋の音楽リハーサルスタジオ「Studio VETIX」の河本です。

今回は、前回のコラムで触れた「逆算で目標を立てる」部分に関して、「目的と目標の立て方」の一例も踏まえつつ掘り下げ、バンド運営に活かす方法をお話してみようと思います。

 

そしてこの記事を読んだ後には、ぜひ、バンドメンバーでミーティングをしてみて欲しいです。

前回こちらの記事も踏まえつつ、ミーティングをすると、よりよいバンド運営が出来るようになるかと思いますよ^^

 

 

第7回コラム「目標の旗、立ててるかな?」

 

【「旗」をしっかり立てよう!】

 

目標地点に「旗」が立っていると、その目標地点にスムーズに到達できる・・・。

これは、迷っても、その「旗」を再確認することでやるべきこと、向かうべき方向がはっきりするからですよね。

目指すべき「旗」を立てて、そこに向かっていくこと、準備をしていくこと、これがスムーズなバンド運営のコツとなるのです。

とはいえ、その「旗」って例えば何?「売れたい」「有名になる」とかそういうこと?

なんて疑問だらけだとと思いますので、以下でひとつひとつ解説していきます。

 

バンド運営に悩んでいるのであれば、一緒に「旗」を立てていきましょう!^^

 

【なに志向??】

 

ここで「旗を立てる」一例をご紹介しましょう。

具体的に言えばまず「プロ志向」か「アマ志向」か。です。

 

ここでまず、バンドを通じてメンバーがどうなりたいか?から把握していくと良いでしょう。

 

音楽でメシを食って行きたいのか、音楽で有名にはなりたいけど、仕事もしながらのペースなのか。

月に一度みんなでバンドができれば幸せなんだ、なのか…。

 

実は、メンバー間でここの認識がずれていることが往々にしてあります。

一度メンバー同士で、「なに志向」なのかどうか認識を共有していきましょう。

もちろん、一致することが一番ですが、多少は幅があっても、同じ方向を向いているのであれば良いと思います。

 

そしてその上で次に「大きな目標」を決めましょう。

バンドで、いつ、どの地点に立っていたいか?

という目標地点を明確にしていくのです。

 

例えば・・・

「フジロックに出る」

「メジャーデビューしたい」

「地元で100人集まるバンドになりたい」

なんでも構いません。

このバンドでいま一番「目指していくべき場所」を決めましょう。

もちろん、「フジロック出てメジャーデビューもしたい」なんてあわせ技もあるでしょう。

みんなで目指せる理想の「目標」を共有設定しましょう。

 

 

そして何年後に・・・

という期日を設定しましょう。

 

いつまでに

・メジャーデビューしたい。

・あるアーティストと共演したい。

・あのフェスに出たい。

・あのステージに立ちたい。

・何枚CD売りたい。

明確な期間や期日を作成してみてください。

(最初は適当に期日を決めれば良いです。)

 

なかなかイメージすることが難しければ、「あのバンドみたいになりたい」と、いうバンドを思い浮かべてみてください。

自分にとって理想的な活動方法をとっているバンドがひとつは思い浮かぶはずです。

そして、「そのバンドのようなサクセス」を目指して活動していきましょう。

 

【逆算の前にリサーチ】

 

「大きな目標」が決まったら次にその「通過点の目標」を決めます。

大きな目標から小さな目標をいくつも割り出して、辿っていける道のりをあぶり出していく・・・まさに「ロードマップ」を作る感じで通過点を設定すると、目標とする「大きな旗」へ近づきやすくなるわけです。

 

では通過点を設定するときに大切なのはなんでしょうか?

それは「リサーチをする」ということです。

 

 

たとえば会社で「5年後に自社ビルを建てたい」という目標があれば、「いくらくらいかかるのか?」「建てるための許可は何がいるのか?」「どのくらいの実績があればスムーズに許可や資金が集められるか?」などなど、そこに向けて必要な情報などを集めて、「知る」ことから始まると思います。

バンド運営でも同じく、まずはリサーチから行いましょう!

そうして得たリサーチ結果を元に設定すれば、「通過点の目標」が決めやすくなると思います。

 

【やりたいコトを明確にして・・・その為になにが足らないかを探す(知る)・・・そして出来るコトから始める。。。】

 

たとえば、目標とする位置が「3年後までに〇〇FESのメインステージに出たい!」だとすると、今年そのステージに出たバンドたちはどうやってそのステージまで上り詰めたか?を調べてみるのが一番良いでしょう。(いくつのも方法が出てくると思います・・・その中で自分たちにあった方法や理想のスタイルも想像してみてください。)

そして、どんどん掘り下げていくうちに、自分たちが「いまやれるコト」「やりたいと思ったコト」が出てくると思います。そんな「できること」「やりたいと思ったコト」からまた掘り下げていくと無理なく、ワクワク計画が立てられて楽しいと思います。

 

こうして「視野を広げたリサーチ」をして、固めていくコトが大切だと思います。

 

【考える(具体的にイメージする)コト自体がバンドをするうえでとても大切!】 

 

ここまで読んできていかがでしょうか。

「目標を考えるのは大事で、目標の定め方や方向性もなんとなくわかりました!!」

「でも、それを考えることが本当に『有意』なのか、わかりません。」

「目標を決めるとそれがノルマのようにのしかかってきて、バンド活動が窮屈になるだけじゃないかな?」

などという想いがあるバンドマンも、多いのではないでしょうか?!

 

たしかに、大きな目標というものは、現実的に考えれば「シビアな条件をクリアしていかなければいけないもの」だと感じるでしょう。

 

それはモチベーションの低下にもつながりかねません。

たとえば、冒頭で尋ねた「プロ志向」かどうか?

というある種「よくある質問」でさえ、しっかりと考えようとするととてもシビアな話になりかねません。

 

簡単にいえば、プロ志向=「バンド活動でメシを食べていきたい」のかどうかであるわけです。

バンド活動でメシを食っていくということ。

それは具体的に「いくら欲しい」ということなのでしょうか?

そんな質問を、ある日バンドマンに聞いてみたところ、「最初でも20万円は欲しいです」との答えが。

もちろんこれは「一人分」のお話。バンドメンバーが4名いたら給料だけで月80万円必要なわけです。毎月80万円給与ということは、年間で約一千万円。一千万円を給与に割けるだけの「売上」をだすとしたら一体いくら必要なのでしょうか???

単純に1千万円「売上げる」だけでも、2500円のCDアルバムが4000枚、もしくは2000円のライブチケットが5000人分売れてようやく達する金額です。

・・・みなさんお気づきでしょうが、これは、制作費やその他経費を一切考慮していない金額。

実際は最低でもその3倍から5倍は稼がないと、希望する最低限のお給料分が「稼げない」バンドといえるでしょう。

 

そう考えると、「プロ志向」なんて「ボチボチと活動してて上手くいけばなれる」ものではないことが容易に想像付きますよね!!(脅すわけではありませんが…。)

たしかに、

「考えるだけで、たじろいでしまう。」

「やる気がそがれるだけだから考えずに思い切って進む!」という意見も判る気がします。

でも…

ここで無理だと感じてしまったら、そこまでですよねー!

実際に生活しているバンドマンは世界に何万人もいる。自分達に出来ないわけがない!!と自分の可能性にワクワクしてほしいです^^

ぜひ明確な目標を定めて勇気を持って、見つめたうえで覚悟を決めて、進んでみてほしいです。

誰かにやれと言われたコトでは無いのだから、出来なくても誰も困らないし迷惑もかからないはずですよ!

 

実際、「目標を見失った」といって立ち止まってしまっているバンドの多くがそもそもちゃんと「目標を決めていない」というパターンが多いように思います。

目標をしっかり定めずに向かった結果、現実に「ちゃんと見てなかった現実」にぶつかってそれを言い訳に諦めてしまったり迷ったりしてしまっている印象を受けます。

 

心当たりがあるバンドの方は、是非コレを機に意識を変えて調べてみたり、活動方法を見つめなおしたり、行動したりしてみてください。

そして、そして、メンバーで共有してみてください。

忘れがちですが、大切なのはそれをメンバーで「共有」出来ているコトですからね。

 

 

【「逆算」から辿り着く「1年後のコト」】

 

どんどん逆算をしていくと、1年先に、どこでどんなライブしていたいか?

目標達成の為に何をすれば良いのか、がわかってくると思います。

ここまでくると、その「目標」はかなり身近なもの(想像しやすい未来)になってきていて、いろいろな物事を決める際に指標として使えるようにもなってきます。

たとえば、「いくつかある曲ネタ候補の中から、どの楽曲を次に進めていくか?」なんてよくあるバンド内の話題も、「△△のイベントで注目集めるためにはもっと明るくて、早いテンポの曲がほしいよね」などと次の課題も明確になると思います。

 

また、楽曲制作一つとっても、「どんな人に聞いてもらって、どんな気持ちになってほしいか」という目的がハッキリとしてくるはずです。

 

よく、若手バンドは「同世代のバンドマンに『うまいね』と言われるコト」を求めるようになってしまい、メロディを邪魔するリフを作ってしまったり、シンバルやフィルを派手に鳴らし過ぎたり、難しい単語で歌詞を構成したり、してしまいがちなのですが、それも「自分たちのターゲットにしたい層に伝わりやすいのか?」を意識していれば自ずと違う答えにたどり着けたり、メンバーを説得しやすかったりすると思います。ターゲットをしっかり見据えていれば、出来上がる楽曲のフレーズ・アレンジメントさえ変わってくるものです。

 

後は、しっかりと自分たちの決めた目標に向かって一つ一つ進んで、遅れたらまたしっかりリサーチして計画を立て直す。

思ったより早く進めたらリサーチしてもっと打てる手を打つ、という活動を繰り返していけば結果はついてくるでしょう!!

活動にもハリが出て、きっとやりがいのあるバンド生活がおくれると思いますよ^^

 

 

【迷ったら聞いてみよう!】

 

いかがでしたでしょうか。「逆算から旗を立てる」方法。

上手く伝わったでしょうか?!

ここまで読んでみて、「リサーチ」って、どうやったらいいの?

など、それぞれ疑問点も有ると思います。

そんな時は、スタジオやライブハウスの人にどんどん質問すればいいと思います。

音楽が好きな仲間同士、頼られて悪い気がする人はいません。きっと親身になって答えてくれるでしょう。(お仕事のじゃまにならない程度になら、ですね。笑)

そうやって、いろいろな所にアンテナを張っていくコトが、目標を叶えるには大切だと思います。

 

ちなみに、スタジオベティックスでレコーディングをして頂く際に行う事前ミーティングでも、音源作成以外にこういった質問を受けることが有ります。

僕で判ることがあれば、相談に乗りますので、是非、聞いてみてください^^

とくに、レコーディングというのは集中してバンドのことを考えることが出来るとても良いタイミングですしね^^

 

迷ったり行き詰った時は、スタジオやライブハウスの人にどんどん質問をしてアンテナを張っていけばいいと思います。

 

・・・といったところで今回はこの辺りで。

長文読んでいただいてありがとうございます!

また次回、お会いしましょう!